日記・思い出

どこまでこの道を掃く

ミヒャエル・エンデの名作『モモ』には、ベッポという道路掃除夫の老人が登場する。ベッポは主人公モモの友人で、毎日道路を掃いて過ごしている。彼の掃除の仕方の特徴として、作業中にゴールを考えない、というものがある。あとどれくらい掃くかということ…

脳神経外科に

高校三年生の二月になると、学校は自由登校になる。授業は当然ないので、登校しようがしまいが単に自学をすることになるのは変わらない。だから、自宅では集中しづらい人や教員に添削を依頼する人だけが集まって、暖房のあまり効かない教室で黙々とペンを動…

さよならメビウスリング

中学生の頃の一時期、メビウスリング掲示板をやっていた。累計で5つくらいのハンドルネームを使って、自分で立てたものも含めて20くらいのスレッドに入っていたように記憶している。 中でも一番続いていたのが「深い話がしたいです」というスレッドだった。…

佐藤智晶先生の思い出

昨年受講していた講義の一つに「技術利用と法」があった。 ガイダンスの出席者は4人しかおらず、その後も最大で7人程度の受講者数で、理系の院生と公共政策の院生がそれぞれ3,4人ずつだった。授業はその場でのリサーチとディスカッションを中心として進めら…

死の夢から覚める

夢日記。 私は暗く大きな、満員の客が入ったホールの客席に座っている。正面のステージはライトアップされていて、そこにはゲームをプレイできる筐体が3台設置されている。 壇上にいる3人のプレイヤーがゲームをクリアし、会場に歓声が上がる。右端にいたプ…

吸ひこまれない

本当は解題が必要なタイトルなんてそもそもつけてはいけないのだけれど。 このブログの「吸ひ込まれない」という題は次の短歌に由来する。 沈黙の山へ続ける白き道ある私度僧の吸ひ込まれけり 私が高校生のときに出場した短歌の大会で作った歌だ。本来は大会…