2021-01-01から1年間の記事一覧

CIVILIAN「人間だもの」について

この頃知ってとても好きになった曲に、CIVILIANの「人間だもの」がある。語句として明示的には出てこないものの、クリスマスに恋人から裏切りの告白を聞かされるというのが大筋の内容になっている。 最初らへんの「街は今華やかな飾り付け 壊れたカメレオン…

祝祭と地獄と日常と

マスメディアでもSNSでも、東京五輪の熱狂やドラマと、新型コロナウイルスの感染拡大や病床逼迫のニュースとが交互に流れていく。そんな日々が二週間ほど続いた。このすさまじいコントラストを見て、何か感じた人も多いと思う。東京五輪が終わる今日、これに…

「映像の世紀「夢と幻想の1964年」」(NHK)記憶メモ・雑感

1964年の東京オリンピックも実はグダグダだったのではないかという意見をときどき耳にする。前回の東京五輪は一般的に良いイメージがあるが、それは回想によって生まれたものにすぎず、現在グダグダ感が溢れ出している今回の五輪も後になればよかったものと…

それほどの義務がありますか――自粛について――

現在、新型コロナウイルスにかかわる緊急事態宣言が4都府県に、蔓延防止等重点措置が7県に発出されている。一応期限はいずれも5月11日となっているが、延長が検討されているという情報があったり、新たに発出を要請する県があったりと、対象地域が増える気配…

善いことをする動機に関するメモ

人が善いこと、典型的には自分に金銭等の明白なメリットがないにもかかわらず困っている人を助けるなどといった行為をするのはなぜだろうか。最も素朴に考えれば、その人が利他的な博愛精神の持ち主だからだろう。一方で、他人のためになる行為も、それを行…

「憂国」という演技

先日、ある読書会で三島由紀夫の短編『憂国』を扱った回を担当した。そこで三島について少々調べたので、そこで考えたことを書いていく。 『憂国』のあらすじは、その冒頭部分を読めばおおよそ把握できる。 昭和十一年二月二十八日(すなわち二・二六事件突発…